- UPDATE: 2023.9.17
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Vol.5267【OUTIL:VESTE ETAIN & PANTALON BEINHEIM】
とにかく生地に一目惚れし、
「これはセットアップでお勧めしたい」とセレクトしたOUTILのジャケットとパンツ。
今期はもうこれ以外にこの手のジャケパンは仕入れていないので、
本当にピンポイントなアイテムとなります。
別々にカジュアルなスタイルに落とし込んでも良いですし、
セットで結婚式の二次会やちょっとしたパーティーシーンなんかにも。
最高に格好が良いですよ。
OUTIL:VESTE ETAIN & PANTALON BEINHEIM
程よい厚みとコシ、そしてきめ細かく品のある光沢。
OUTIL渾身のコットンモールスキンが素材となります。
ブラウンとブラックの中間のようなダークトーンのモールスキンに、
なんと上からギンガムチェック柄をプリント。
この組み合わせが素晴らしく、硬すぎず、かと言ってラフでもない、
絶妙なバランスに仕上がっています。
OUTILのデザイナー、宇多さんが拘るモールスキンは1930年代から40年代のもの。
初めて展示会を訪れた際になぜその年代なのかと聞いたところ、
「モールスキンの歴史上、最もエレガントな風合いをしているのが30から40年代なんです」
という答えが返ってきました。
フランスで現在織られているモールスキンは、基本的に太い綿糸を使用して織り上げています。
それはキャンバスやデニムよりも強度が高く、ボソッとした素朴な質感。
ですがOUTILが作りあげたモールスキンを見てみると、まるでサテンの様な独特の光沢を放っています。
これは1930年代から40年代に織られたモールスキンのみが持っていた特徴で、それ以降は失われたものでした。
その時代のフレンチウェアが持つエレガントさに魅了された宇多さんが、
なんとしても再現したいと、数年越しに完成したのがOUTILが使用するモールスキンになります。
とても細い綿糸を使い、限界を超えた度詰めで織り上げる。
言葉にすると簡単ですが、80年以上も昔に熟練の職人がシンプルな織機を使って織っていた特別な生地。
当時の織機はほぼ全てが失われ、職人の技も継承されなくなったことで姿を消した生地を復活させる労力がどれほどのものであったのか。想像しただけでも途方もないです。
展示会場でこの生地を使用したパンツのエイジングサンプルを見せていただいたのですが、
穿き込んでも失われない光沢に驚いたことを覚えています。
少し話は逸れますが、この「フランスは1930年代から40年代の素材が1番良かった」という言葉、
ヴィンテージアイウェアである『フレームフランス』にも当てはまります。
モールスキンとセルロイドはどちらもコットンが主原料となることから、
当時のフランスの気候(年間の平均気温や寒暖差、雨の降る時期や量など)が
優れたコットンを育てる条件に当てはまっていたのでは、という想像がつくのも面白いです。
着用を繰り返すことで生地はだんだんと柔らかくなり身体に馴染んでいきますが、
このモールスキンは上品な光沢を失いません。
くたっと身体に寄り添うジャケットやパンツから放たれる芯のある光沢。
宇多さんが魅了されたエレガントさを、その目で確かめてみてください。
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