SUNDRIESMAN:Lightings and Charts
初めて見るのに懐かしさを覚える『古いモノ』。
ランプやチャートなどをコレクションしている紺田さんのご協力のもと、イベントを開催します。
今回はそれに先だって、お話を伺ってきました。
中島:今回また新しい試みというか、
見たことがないモノを紹介できるイベントになるんじゃないかなと思うんですけど、
何で紺田さんはこういったモノを集めるようにならはったのかなって。
中々ない感性をしてらっしゃるなと感じてて、もちろん良い意味でね。
それで昔海外に住んでいらっしゃったって聞いて、そこが関係してるんじゃなかって思ったんです。
だからちょっと順番おかしいんですけど、その辺りのお話を聞かせてもらっていいです?
紺田:わかりました。
中島:まず生まれたのは日本だったんですか?
紺田:そうです、日本で生まれて暮らしてたんですけど、
父親の仕事の都合で小学校1年生、6歳のときにブラジルに行くことになって。
中島:ブラジル!?
それも結構多感なときに行かはったんですね…。
ブラジルには何年くらいいたんですか?
紺田:ブラジルには3年半ですね。
小1から小4まで。
中島:どんなところやったんですか、ブラジルって?
紺田:ブラジルの『マナオス』って言って。
アマゾン川あるじゃないですか、アマゾン川がこう、2つに分かれるところがあるんですけど、
ちょうどその分かれてるところに、マナオスっていう港町があって、そこですね。
中島:は~。
それでそのマナオスっていう町で教育を受けて、幼少期を過ごさはったんですね。
紺田:そうですね。
ブラジルには日本人学校があって、結構日系人も住んでるし、
僕みたいに親の仕事の都合で住んでる日本人も多かったんで。
それで日本人学校行ってましたね。
中島:そのマナオスっていう町はどんな感じのところなんですか?
紺田:ほんともう『アマゾン』ですよね。ジャングル。
学校の裏庭みたいなところもずっとジャングルが広がってて。
それで休み時間とかは、やっぱり昆虫が多いんで、モルフォ蝶とかヘラクレスオオカブトとか。
そんなでっかい虫がいっぱいいるんで、皆で虫取りとかよくしてましたね。
中島:はは~。
ブラジルに住んでて一番記憶に残ってるのはジャングルですか?
紺田:そうですね。
休み時間に、学校の裏山みたいなとこに行くんですけど、
川が流れてて、めちゃくちゃ綺麗なんですよ、透き通ってて。
で、そこに熱帯魚屋さんで売ってるようなカラフルな魚がいっぱい泳いでて。
友達とそんなん取ったりして遊んでたのをよく覚えてますね。
中島:へぇ~。
また行きたい、住みたいなと思うくらいいいところでした?
紺田:住みたいとは思わないですね、旅行に行くんだったらいいですけど。笑
治安があまり良くないんですよブラジルって。
住んでたアパートがあるんですけど、扉が二重なんですよね。
まず鉄格子みたいなのがあって、その次に普通のドアがあって、鍵が2つ付いてる。
アパートの近所に大きな公園があったんですけど、
夜になると叫び声とか銃声が聞こえてきたりとか結構あって。
知り合いも銃で脅されてお金取られたことがあるとか聞きましたね。
中島:うわぁ、やっぱり全然環境が違うんですね。
でも小さかったから当時はあまり感じてなかった?
紺田:そうですね、まあ楽しくやってましたよ。笑
中島:それでブラジルの後は日本に帰ってきたんですか?
紺田:そうです。
日本には小4のときに帰ってきて、中2までいましたね。
中島:中2まで…、その次また外国に行かはったんですか?
紺田:はい、インドですね。
中島:インドってまたその…。笑
それでインドには何年いらっしゃったんですか?
紺田:インドは5年いましたね。
中2から高校を卒業するまでいたんで。長かったです。
中島:どんな街なんですかインドって?
もちろん場所によって変わるとは思うんですけど。
紺田:まぁインドもブラジルも、20年以上前の話にはなるんですけど、どちらも発展途上の国で。
ブラジルって潤ってて、「緑が生い茂ってる」みたいな豊かな感じなんですけど、
インドってやっぱり乾燥してるんですよね。
僕はニューデリーに住んでたんですけど、街からちょっと離れたら荒野なんですよ。
ずっと土と岩の、乾いた土地が広がってて。
それで荒れてる、乾いた感じで、日本人的にはあんまり落ち着かない環境ですね。
中島:あぁ~、『生命』を感じないというか?
紺田:そうですそうです。
あとは住んでる人も、ブラジルの人は陽気な感じなんですけど、インドの人はもっとしたたかというか、
人口も多くて競争が激しいですし、みんな生きていくために必死というか。
言葉を選ばなかったら『ズルい』というか、一筋縄ではいかないところがありますよね。
中島:なるほどね~。
さっきブラジルは治安が悪かったって仰ってましたけど、インドはどうなんですか?
なんか『スリ』とか多いイメージなんですけど。
紺田:あぁ~、盗みは多かったですね。
刃傷沙汰とかはそんなにないんですけど、強盗とかも聞いたことなかったし。
でも盗みは多くて、僕もよく盗まれました。笑
中島:えぇ?どういうこと?
紺田:なんかね、当時『ウォークマン』とかよく盗まれて。
小さい電化製品というか、そういうの。
中島:はいはい…。
それってどこで盗まれるんですか?学校とか?
紺田:学校もあったんですけど、なんだろう、荷物を預けるようなところ。
そんな場所で入れたまま預けると無くなってることが多いです。
飛行機とかけっこう無くなりますね。笑
預けるじゃないですか、カバン。
中島:そんなことある?笑
紺田:あるんですよ。しかもあれってX線で中身見るでしょ。
だから「おっ!いいの入ってる」みたいな感じで。笑
それでパって盗られる。
中島:検査じゃなくなってるやん。笑
違法なもの持ち込んでるかじゃなくて、何かいいの持ってないかって探してるんや。
紺田:なんか悪いところばっかり言ってしまったんですけど、
インドはインドでもちろん良かったところもあって。
日々のご飯が美味しかったっていうのは、今思うとインドの良さでしたね。
中島:あぁ~、食べもんが美味しいっていのは大きいよね。
確かにインド料理って美味しいイメージある、なるほどねぇ…。
それで、大学に上がるタイミングで日本に戻ってきたんですか?
紺田:そうです。高校を卒業して、まだ父親はインドでの仕事が続いてたんですけど、
僕は先に日本に帰ってきて。それからはずっとこっちです。
中島:それで話を最初に戻すんですけど、紺田さんどうですか?
幼少期の多感な時期を海外で過ごして、日本とは違ったことを沢山インプットしはったと思うんですけど、
それが今何か興味を持つもの、今回のイベントで扱わせていただくコレクションのような、
そういうモノに繋がっていった気はします?
紺田:そうですね~。
ブラジルにいたころはまだまだ小さかったんで、そういった感覚っていうのはなかったんですけど…。
インドにいたころは、さっきも言ったように荒れてる感じに囲まれてて、住んでるんだけど心が落ち着かないというか、
それで何て言うんですかね、日本に対する『郷愁』とかがあって。
当時は『懐かしさ』っていうものに飢えてたんだと思うんですよね。
そんな中で、『古いモノ』にすごく惹かれて、好きになっていったんですよ。
中島:あ、それはインドにいるときに好きになったの?
紺田:そんな気がします。インドに行ってから。
インドにあった古いモノ、例えば50年代に作られてるオートバイとか、
イギリスの植民地だったんで、いわゆる古い英車とかがあったんですよね。
それでそういった古いモノって『懐かしむ』ことが出来るんですよ。
古いモノを見たときって、文化が違ってもなんか懐かしくなったりしないですか?
中島:あぁ、なるほどね~。
何となくわかる気がします。
紺田:そういったところから来たのかなって、
「何で好きになったの」って聞かれたときに思いましたね。
中島:なるほど~。
それでまぁ今回コレクションを見させてもらったわけなんですけど、
統一感があるとは思うんですけど、『チャート』であったりとか『ランプ』であったりとか。
そこにフォーカスしていったのも、自分で分かったりします?
これだけ集めてるっていうのは何かあるんじゃないかって思うんですけど。
紺田:『ランプ』に関してはやっぱり家作りからだと思いますね。
ここの家を建てるときに、設計事務所に頼んで設計してもらったんですけど、
半年とか1年くらいかけて、全部決めていったんですよね。
その中で、『照明』って部屋の主役というか、華じゃないですか?
それで要所要所にこう、はめていったというか、
家の『がわ』が出来た時点でどのランプをどこに設置しようって試行錯誤して。
アームが付いてるランプだったらここだな、吊るしのタイプだったらこっちだなって。
それで出来上がってみると自分のイメージした通りになったなって。
中島:なるほど、ランプの造形美もしっかり楽しみたいから、
形によって最適な場所を決めていかはったんですね。
でもランプも見てると、特に船舶で使われてたものが多いと思うんですけど、
それはたまたまですか?それとも意図して?
紺田:そうですね、やっぱりなんか丈夫というか…丈夫なものも好きなんですよ。
船舶ランプってこう、陸地より過酷な環境で使われるんで、錆びないように真鍮製にしていたりとか、
海の上で壊れちゃったら大変なんで、頑丈に出来てるんですよね。
あとはその、実際に船に備え付けられて、ひとしきり仕事をしてきたランプが、
こうしてまた照明になってるっていうのがいいなって感じるんです。
中島:紺田さんのコレクションとか家を見させてもらって、
何ていうか『生命』を感じるような家づくりというか、そういう風に感じたのもそんな『古いモノ』から来てるのかもね。
だからもしこれから家を建てようだとか、部屋作りをしていこうっていう人がいらっしゃったら、
「こんなのもあるんだ」っていうのを今回のイベントで見ていただけたらなと思いますね。
ひょっとしたら生活がより豊かなものになるかもしれないし。
紺田:そうですね。
「あの部屋につけよう」とか、「あの場所に置こう」とか想像して楽しんでもらえたら嬉しいです。
中島:今日はありがとうございました。
今回はとりあえずこの辺りで。
いかがだったでしょうか。
イベントの詳細に関しては、また後日ご紹介させていただきます。
ぜひお楽しみに。