【COLUMN】 MOJITO
2013年から当店で取り扱うMOJITO(モヒート)。
皆様のご支持を得て、今ではdoo-bopを構成する大きな存在です。
しかしながら、我々はモヒートについてどこまで理解できているのだろうか。
その魅力を皆様にどこまでお伝えすることができているのだろうか。
今一度、原点に立ち戻り、
その存在を捉え直すことにより、
もっと広く、もっと深く、
モヒートのことを知ってもらいたい。
そんな思いから2016年11月3日、
デザイナーの山下さんにお話を伺いました。
メンズファッションの現在
昔と比べて何が違うかっていうと、
横一列に並ぶメンズの流行が無くなったように思います。
たとえば僕らの若いころであれば、
どこどこのブランドをみんなが着てるとか。
今はそういうものが、あまりないですね。
洋服のコーディネイトの楽しさとか、
自分たちがどうやって着ていけばいいかって事を、
昔より広い視野で楽しんでいるようにも思います。
モヒートとは
モヒートは2010年から始めたんですが、
毎回新しいアイテムに加えて、
前回、前々回から継承するガルフストリームパンツ、
アルズコート、アブサンシャツなど、
モヒートの中で主軸となるアイテムをアップデートしているんですね。
僕が望むのは気に入った服は、
そのブランドでずっと楽しみたい、買い増ししていきたいと思える服、ブランドであること。
なので、あまり強烈にブランドのシーズンテーマを設けたり、
前回買っていただいて、せっかく気に入ってもらったのに、
今回で途切れることは、僕が着る立場だったら嫌だなと思うんですね。
ですから、別素材にしてみたり、アップデートを重ねます。
同じ形で10本、20本とクローゼットの中の
モヒートのバリエーションが増えるっていうのが、
僕にとってすごくうれしいですね。
哲学
これは語弊があるように聞こえるかもしれませんが、たかが洋服なんで。
そのブランドが好きだからといって、盲目について行ったり、
あんまり忙しくしてほしくないんですよね、着る人に。
僕が好きな言葉でアメリカのアウトドアブランド創設者が言った、
「我々は3年後のごみは絶対に作らない。」
っていうのは素晴らしい言葉だなと思いますね。
だから3年後に通用するデザインって何なんだと思うんですけど、
長く着れるとか定番とかそういう事ではなくて、
あくまで自然体でお客さんに認知される身の丈であればいいかなと僕は思います。
いい意味でたかが洋服なんでね。
家族だったり生活だったり、大事な事はたくさんあるので、
あまり洋服、洋服ってなるとね。(笑)
セレクトショップについて思う事
お客さんには買わなくてもいいから、
お店に足を運んでいただきたいという気持ちが、僕にはすごくあります。
服のお直しを持っていく感じで、
「以前に買ったパンツが、どうしてもほかの洋服に合わせられない」
というようなことを実際にお店で尋ねて欲しい。
モヒートの洋服は縫製をこうしてる、
パターンメイキングをこうしてるとか、
言おうと思えばいくらでも言えるんです。
でもあんまり自分のブランドではやりたくないんです。
なぜかというと、お客さんが着る時にそういうのって
本来、僕は関係ないと思うんですよ。
今、自分たちが一生懸命やっていて、考えていることが、
着てくれる人にとっての喜びにつながるのか。
着てくれる人にとって本当にうれしい事が何なのかを、僕は常に考えています。
お客さんを理解してセレクトしてあげるっていうのが、
セレクトショップの良い所かなと思いますね。
モヒートを手に取ってくれる人へ
モヒートはヘミングウェイにオマージュを捧げたブランドで、
アイテムひとつひとつに名前が付いています。
それは小説の登場人物の名前であったりするんですが、
僕がその登場人物から得たイメージが反映されており、
洋服自体、物語性を帯びたものになっています。
ですから着てくれる人がその物語を感じ、
モヒートの服を通して周りの人たちと、
コミュニケーションできるような服であればいいと思っています。