MOJITO:db Ex ABSHINTH SHIRT/china button
デザイナーが大切にするブランドの世界観に、店のエッセンスを加える
付き合いが長くなればなるほど互いの距離が近づき、良い物が生み出せると感じています
今季MOJITOに依頼した3つの別注品、その最後を締めくくる1枚が届きました
山下さんにお話を伺ってみたので、読んでいただけると嬉しいです
中島:今回作っていただいたチャイナのアブサンなんですけど、
正直3つ別注をさせていただいた中で1番不安があったんですよ、
どんな仕上がりになるんやろうっていう。
山下さんとしてはどんな想いだったんですか?依頼を受けてくださったとき。
山下:実はチェック柄でチャイナアブサンを作るのは僕自身初めてだったんですよ。
それで正直「上手くまとまるかな?」とは思ったんですけど、中島さんと素材を詰めていく中で
doo-bopらしい素材を選んでいただいたんで、何とかなるかなっていう。
チャイナ仕立てにした場合、どっちかって言うと羽織り物要素が強くなるじゃないですか、
胸のポケットが裾に付いたりするんで。
それがこの生地と合わさって、「どんな見え方をするかな?」っていうのはあったんですけど、
実際に出来上がったものを手に取るとすごく上手くまとまっていて。
僕自身とても気に入りました。笑
中島: なるほど~良かったです。笑
今回のアブサンを使ったコーディネート、店らしい提案はもちろんするんですけど、
山下さんとしてはこういったコーディネートに挑戦してみて欲しいなとかいうのはありますか?
山下: うん、そうですね。
中間色…というか割と淡い色味なんで、メリハリを付けた合わせが良いと思います。
それで首元も余裕を持たせてあるんで、中に黒のタートルとかを着て、
足元にはチャイナアブサンと同系色の靴を持って来るとか。
個人的にはインナーをちょっと見せる感じが面白いんじゃないかなと。
タートルネックもそうですし、プルオーバーのパーカーを持ってきたり。
後はこのイエロー系のオンブレ、グレーとの相性も良いんで合わせてみて欲しいです。
中島: インナーで表情を付けるっていうのは良さそうですね、確かに。
そういえばチャイナ合わせのアイテムって中々難しい、一般的じゃないと思ってるんですけど、
MOJITOでチャイナを出そうと思ったきっかけは何だったんですか?
山下: えぇ~と、ヘミングウェイが1940年代に中国を訪問しているっていう背景があって、
それで中国的なアイテムをっていう考えはあったんです。
それとピンキージャケットっていう、MOJITOで継続的に出しているリボン結びのアウターがありますよね、
あの辺のディティールからおのずとチャイナボタンのシャツっていうのが出てきました。
中島: あ~なるほど。
あのピンキーからの派生と言いますか、オリエンタルな要素をアブサンシャツに落とし込んだような形なんですね。
山下: あとご存知だとは思いますけど、元々はフレンチヴィンテージ、
フランスに渡った中国系の移民たちが着ていたチャイナボタンのカバーオールがありますよね。
だから古着が好きな人にとっては馴染みのあるディティールなんじゃないかっていう想いはありましたね。
中島: あぁ~、最近古着界隈で割と見かけるようになりましたよね。
ちょっと話が戻るんですけど、今までこのチャイナアブサンって無地のものばかりでしたよね?
柄物で作らない理由って何かあったんですか?
山下: そうなんです。何でチェックでやらなかったかと言うと、
普通のシャツ以上にチャイナのボタンって目立つんですよね。
なのでその柄の合わせ部分がどうなるんだろうっていうのがあったんですけど、
今回作ってみてそのモヤモヤは消えました。笑
もう柄なんかは無視して、むしろ合ってない方が格好良いっていう。
中島: いや本当に格好良いツラに仕上げてもらったと思いますよ、ありがとうございます。
それじゃあ最後に先のことにはなるんですけど、来年のMOJITOとしての動きというか、
こんなこと考えているっていうのがあれば話せる範囲で教えてもらえます?
山下: はい。基本的にMOJITOのモノ作りに関しては基本となる主軸というか、
背骨にあたる部分は変わらないです。
ガルフストリームパンツがあって、アブサンシャツがあって…、
そこにシーズン毎の目玉となるアイテムを挿していく感じですね。
あとはまぁ、原料であったり、工賃だったり送料だったり全てのものが値上がりしているんですけど、
だからといって「この値段でないと嫌だ」とコストカットをしてでも安いものを作ろうっていうのは
今のところ僕の中にはないですね。
中島: さすがブレませんね、良かったです。笑
それじゃあ春もまた別注をお願いしようと思ってるんで、よろしくお願いします。
山下:ええ、よろしくお願いします。
いかがでしたか?
『軸』はブレずに、それでも変化を付けていく
そんなモノ作りが出来るMOJITO、来年もご期待ください