CHANGES:洋服を作り変えること
先日の【Roots】にて紹介させていただいたCHANGESのリメイクジーンズ。
今回はデザイナーの古谷さんに、製作の拘りやポイントをお伺いしました。
週末の発売に向けて、ご一読いただけますと幸いです。
中島:本日はよろしくお願いします。
それじゃあ『CHANGES』というブランド、ありがたいことに僕らは1stシーズンから扱わせてもらってるんだけど、
まだまだこれから、ご存知じゃない方や興味はあるけどもっていう人に対して、
ブランドの名前の由来やコンセプトっていうのを改めて教えてもらっていいです?
古谷:分かりました。ブランド名とコンセプトなんですけど、
シンプルで分かり易いのがいいなって考えてたんです。
それでまあ『リメイク』っていう言葉の新しい言い方として、
『CHANGES』っていう言葉を使っていきたい、確立出来たらなっていう想いがあって。
中島:ははぁ。
作り変えることを『CHANGES』って言葉にしたいっていうこと?
古谷:そうです。『リメイク』っていう単語はもう浸透しているんですけど、その言葉を使わなくても、
『CHANGES』っていうのがこれからは「リメイクしてる」っていう意味にしたかったんですよね。
中島:また強いこと言うね~。
そういう意味やったんや、でもそんなん初めて聞いたで。笑
古谷:いやまぁ、ブランドの一番底ではそう思ってるんですよ。笑
あとは服を作るにあたって『変わり続ける』っていうのも大事やなって思ってて。
ただ自分にとっての格好良いとか、スタイルは『変わらない』っていう。
そういった考え方も込めて『CHANGES』ってブランド名にしました。
中島:なるほどな、良いと思う凄く。
変わっていくところと、変わっちゃいけないところがあるっていうことやね。
中島:なるほど分かりました。
そうしたら次はもう、いきなりなんですけど、今回のジーンズについて。
まずこのペンキの飛ばし方、僕今までね、こういうのって子供っぽく見えると思ってて嫌だったんですよ、正直。
でもこのパンツに関してはそういう感想が全くなくて、初めて見たときに「あ、これは良いな」と、「良い塩梅やな」って思ったんです。
だからこのペンキについて、何か拘りというか、そういうのがあれば聞かせてもらいたいなって。
古谷:これはまぁ、順を追って言うと、まずこのペンキは『染料顔料』っていう、
油性の中に水性もちょっと入れてあって、硬くなり過ぎないペンキを飛ばしてあるんです。
色もこう、アメリカと日本のインクって発色が違うんですけど、
ビビッドな色になるように作ってもらってます。
中島:え、これ色出しからオリジナルのペンキなんや?
こういう色を出してほしいって頼んでるんや古谷さんが?
それは凄いなぁ。
古谷:そうです、そうです。めちゃくちゃ色のチップ送って、「この色で作って」みたいな。
それで色についてもっと言うと、前のやつ(12月入荷時のもの)はここの黄色がこげ茶だったんですよ。
でも今回、doo-bopさんには言ってなかったんですけど、春シーズンなんでちょっとこう、
春っぽいカラーにしようと思って黄色に変えてます。
中島:うわ、そんなこともしてくれたんや、ありがとうございます。
黄色すごく良いと思う、目に入るし。
古谷:で、さらに表情に奥行きが出るように、ペンキの濃さも変えてあるんです。
5年前についた様なイメージの薄いペンキと、最近仕事をしてついたイメージの濃いペンキをこう、混ぜて散らしてあるんです。
それで『深み』って言ったらあれですけど、そういったものを表現してあります。
中島:はぁ~凄いなぁ…。
そこまでやってるとは思ってなかったわ…。
古谷:っていうのを、ここ(ペンキに関して)はやってます。
全部同じトーンで散らすとわざとらしくなるんですよ。
だからこう、白いペンキでも濃さに差を出して作ってもらってて。
中島:なるほどなぁ。
それじゃあ次はシルエットについて、こう変えようと思ったきっかけは何やったんですか?
501でも505でもいいんですけど。
古谷:やっぱ501って、僕正直あまり穿かなくて。ちょっとどんくさいんですよね、どうしても。
で、「どっか変えてあげたら穿けるようになるんやろうな」ってずっと思ってて。
それでテーパードに、今の僕が思ってるシルエットに変えてあげたっていうのがきっかけですね。
ペンキもその、レギュラーのデニムの色がダサいんで、それを化粧してあげるというか、
良い具合に変えてあげたっていう感じですね。
中島:なるほどね~。
もともと気になってた部分を変えたんか。
古谷:ただレギュラーでも、この『色落ち』は好きなんですよ、これはこれで。
わざとらしくないっていうか、誰かが穿いたリアルな色落ちっていうか。
そこに嘘は無いんですよね、加工と違って。
中島:この思いっきり色が落ちてるようなやつも何かいいもんなぁ。
あと他にも何か、「ここ拘ってるねんで」とか、言っておきたいところってある?
カットの仕方であったり、裾の処理であったり。
古谷:これ(ジーンズのリメイク)をやるには、レングスをどうするかが問題なんですけど、
普通に巻いて上げちゃうと「裾切ったな」ってなるんですよ、裾のアタリが無くなっちゃうから。
だからそれに対して、『完全3つ折り』っていう、生地が3重になるようにしてから切ってあるんです。
それでこう房が、普通よりちょっと多めに出てくる、気持ち。
中島:はぇ~…。
もし言えるんだったらでいいねんけど、こういうのってどうやって思い付くん?
古谷:これは古着とか見てると、適当に裾切ってるやつがあるんですよ。
多分狙ってこうなるようにしてる訳じゃないんですけど、
なんか「良いな」って思って見たらそう(3つ折りに)なってるんです。
中島:それでその見たやつを覚えてるんや?
どこかで活かそうと、デザインで。
古谷:そうです、そうです。
中島:なるほどなぁ~。古着でたまたまそういうのを見つけてるんや。
やっぱり見てる数が違うな…。それを覚えてるのも凄いよね。
オッケーです。そしたら次なんですけど、今回517、フレアのタイプで作って欲しいってお願いしたんですけど、
最初それを聞いたときどう思ったんかなって。
古谷:むっちゃ良いなって思いました。笑
もともと案の1つとして考えてて、イメージもパッと出ましたし。
中島:あ、やっぱり考えてたんや、517でやるのも。
古谷:そうなんです、ただ数が出てこないんで、517は。
だからコレクションじゃなくて、今回みたいに別注でやるっていうのが丁度良かったなって。
中島:なるほどなぁ。
その中でもね、今回本物のヴィンテージを使って作ってもらったやつあるじゃないですか。
なんで僕らがこれをお願いしたかっていったら、やっぱりジーパン穿くんやったらヴィンテージがいいんですよ、結局は。
でもそのまま穿くのはなんか違うかなって、それやったらもうハサミ入れてしまおうって。
けど正直そういうのってどうなん?
XXは流石にあれやとしても、66使って欲しいって声があったら、抵抗なくやるもんなん?
古谷:やりますねえ。まあその値段とクオリティが合えばですけど。
今回はやっぱり中島さんはそっちが好きなんやなって感じでした。
中島:あ、やっぱりヴィンテージかみたいな?
古谷:そうです、そうです。
あと517もやっぱり好きなんやなって。笑
中島:本当はちょっと失礼というか、どこかタブーなんちゃうかなって思いはあってんけど、
やっぱり僕らがテンションの上がるものを依頼したい、お願いしたいって。
それでそれを続けていかないとあかんなっていうのがあって。
今回も3本だけやけど、そういうものを用意してもらえてよかったわ。
また面白いもの考えていくから、そのときは頼みます。
古谷:そうっすね。やりましょう。笑
いかがだったでしょうか。
CHANGESの『CH4005』は2月20日から販売を開始します。
古谷さんが拘ったポイントに注目しながら、選んでみてください。