【COLUMN】GERMAN TRAINER
# GERMAN TRAINER 1183
1970年代〜1994年にかけてドイツ軍でトレーニングシューズとして支給されていたジャーマントレーナー。
支給終了後の1994年より現在に至るまで、当時と同じラスト(木型)、カットナイフ、アウトソール、
マテリアル、シューレースを用いた仕様、製法で生産しています。
クッション性と耐久性に優れた分厚いガムソールは当時の人体工学に基づくもので疲れにくく、ミリタリーアイテムならではの機能性を感じさせます。
またスロバキアの工場では当時ドイツ軍だけではなく、アディダスやプーマの生産を担当していたなどの歴史的背景があります。
近年では、名だたるメゾンブランドが、同タイプのシューズを発表しており、
合わせるアイテムを選ばないシンプルで普遍的なフォルムは安定した人気を保ち、確固たる地位を確立しています。
当店でセレクトさせていただきましたタナカユニバーサル企画においては、
現在も6名の職人がハンドメイドで1日200足から300足を製造。ナイフやミシンなど当時の道具を使い、
いかに当時のままのものを作り続けられるか、 先人の残した遺産を後世に伝えるという使命感を持って作られています。
革は当時から工場で使っていたイタリアのタンナーを極力使用。
ソールも当時からのBW社で製作されています。
デザインはドイツ軍のナショナルスポーツがハンドボールであった影響により、横からの負荷に対して屈曲性が高く、
ジャンプした後の着地の際、 安定感を少しでも補助するため、 ヒールキャップが高く包み込むように作られています。
シューレースは6ミリで通し方はパラレルを採用。
これは当時のオーストリア軍の通し方がパラレルであったことから、
オーストリア出身のデザイナーがパラレルで通し始めた事の名残です。
このジャーマントレーナーの魅力は単なる白いスニーカーであって、それだけで終わらないところ。
ひもを緩めて履くと少しボリュームが出る。
タイトに履くと足のフォルムが美しく見える。
ミリタリーシューズなので、軍パンとの相性はもちろんですが、
ドレスパンツと合わせても、白が映えて鮮烈な印象を演出します。
歴史の息吹を感じつつ、それを現代にどう表現するか、
古くて新しいこのジャーマントレーナーをお客様にも是非、体感していただきたいと思います。